「信頼ベースの学級ファシリテーション講座」一日目

今日は、ちょんせいこさん、岩瀬直樹さん主催の「信頼ベースの学級ファシリテーション講座」一日目に参加しました。(エル・おおさか)ゴールデンウイーク中にもかかわらず、50名の先生が参加。熱くも、充実した研修になりました。

講座の様子は、こちらからも
seiko's diary
http://d.hatena.ne.jp/chonseiko/20110508/1304852636

《今日のスケジュール》
1 オープンクエスチョンについて
2 サークル対話
3 ホワイトボードミーティング
4 アセスメントについて
5 ホワイトボードを使って、グループでアセスメントを深める
6 インストラクションの練習
7 ふりかえりジャーナル


《講座メモ》
● ペア・トークはオープンクエスチョンで行いたい。オープンクエスチョンは、練習で上手になる。「質問の技」のプリントをラミネートして渡し、いつでも使えるようにするとよい。ペア・トークは、自分がしゃべりたい話題の方が盛り上がる。オープンクエスチョンは、しゃべりにくい話題のときにも有効。

● サークル対話の実践から(イワセン)
朝のサークルタイム。毎朝、ペアで対話。ジャンケンをして、「昨日、どうだった?」「と言うと?」などオープンクエスチョンでトーク。健康観察も行う。毎回、ペアを変える。最初は不慣れだが、じきに3分ぐらいしゃべれるようになる。

●サークルをつくるチャレンジ。
 1 早くサークルをつくるチャレンジ
 2 毎回、ペアを変えるチャレンジ
 最初は、子ども同士が安心できるペアになる。男女も分かれる。少しずつ上手になっていければいい。
《声をかけるとき》
「コンパスで描いたように円にしよう!」
「何分でチャレンジする?」
「ぶつからないようにするには、どうしたらいい?」
「ちょっと、隣と相談してみて!」

●子どもたちの声をひらう
 子どもたちに意見を求めたときには、どんな言葉も受け止める。通常、黒板には「正しいこと」しか書かない。しかし、ファシリテーターは、みんなの声をひらう(受け止める)。黒板に書かれるということは、発言が認められた(その子が認められた)と感じる。正しいことしか書かないと、子どもたちは正しいと思われることしか発言しなくなる。

●「子どもたちが考える」ための声のかけ方
 サークルをつくるとき、うまくいかなかったとき。つい、「そこ、もっと前!」「もっと後ろ!」と、子どもたちの行動に対して注意してしまう。それでは、子どもたちは前、後ろに動くだけ。従順だが、指示がないと動かない(自分で考えない)子どもになる。言われてやるだけだから、同じことをずっと注意し続けることになる。
 では、どう声をかけるか。
 「クラスみんなが顔を見合わせたいよね!」(行動の理由)
 「どうやったら、円くなるか作戦を考えよう!」(自分たちで考える)
 子どもたちが考え、自己選択・自己決定する機会をつくる。
 この自分で考える経験の積み重ねが、次に生かされる。

● 子どもたちのサークルをつくる様子を、しっかりアセスメントする。移動の動き。どのくらい時間がかかるか。誰とすわるか。男女のかかわりは。気づいたことを、子どもたちとふりかえる。子どもたちのよかったことを伝える(フィードバックする)。

● もしも、失敗したら? 失敗は、それまでの学びの成果だから、できなくて当然。と考える。そこからスタートすればいい。そのときの状態をしっかりアセスメントして、スモールステップで体験的に学ぶプロセスをつくっていく。

● アセスメントは、学びをデザインするときのスタート。大人の視点(スケジュールや目標)から、あせって計画すると無理な課題設定をしてしまう。失敗体験で心を冷ましていくのは避けたい。何でこの課題をするのか、どんな方法でするのか、子どもの視点で考えて、子どものペースを大切に課題設定をし、小さな成功体験を積み重ねていきたい。先生だけががんばりすぎないこと。子どもたちと一緒に歩いていこう。

● 子どもホワイトボードミーティングを例に。
導入は、しりとりゲーム。どんなことが起こりそうかを子どもたちと一緒に考えて、ルールを共有しておく。
「しりとりのルールって、どんなのがある?」
大切なことは、チームで協力すること。公平に参加すること。楽しむこと。これを終わった後にふりかえる。
 「3分でどれだけできそう?」
 「じゃあ、作戦タイム。1分!」
ゲームでは、言葉がきつくなるので、「気持ちのいい声がけ」をチャレンジに盛り込んでいく。

●セルフジャッジしよう! 自分たちで審判ができたらすばらしい。
 「先生は、見てないよ!」
自分たちでルールを出し、共有し、自分たちで守る。それが、自分たちの楽しみにつながることを実感することが大切。
 先生はジャッジに追われない。全体のアセスメントに努める。一つのグループについてしまうと、他のグループが見れなくなる(死角ができる)。

●ズルをする子がいたら?
 (イワセン)「その場では注意しないかなあ」
 その子も参加していることを認める。ズルをする背景にも思いを寄せる。「ルールを守る大切さ」は言い続ける。ゴールは、みんなが楽しむこと。場を冷ます言葉はなるべく避ける。ズルしたことに「胸がいたんでいる」ことも。それを次につなげたい。

●しりとりの数かぞえ。自然と頭がよっている。あたたかな時間。「近寄って!」「手をつないで!」など、言葉で身体的な距離を縮めるのではなく、ゲームの中で自然に近くなっている。これってすごい!あっち向いてホイ!4人バージョン。指すもう4人バージョン。など、いつもは2人でやるゲームでも、工夫すればいろんな方法が可能。

後半は、アセスメントの具体的な方法を、ホワイトボードを使いながらグループ学習、参加者同士で授業のインストラクションの実習などをした。学びの多い一日。明日、2日目も、どんな時間になるか楽しみです。