調べ学習のスモールステップ!(その1)

社会の単元は、「地域を開いた人々」。
本校が立地する泉州地域では、
大和川のつけかえ」を題材に、
風土や地形、そこで生きる人々の暮らし、
地域の開発にたずさわった人々の願いや思いなどについて学びます。

教師が主導して指示や発問をし、
音読したり、言葉を調べたり、資料を読み、分析したり・・・。
一番、安定感がある授業ですが、子どもたちがどうしても受け身で、
活気(学びのエネルギー)がでてきません。

せっかく自分たちの地域に根ざした学習なので、
やっぱり活動的に学びたい!
「調べ学習」として進める計画を立てました。

子どもたちは調べ方、まとめ方、発表の仕方など、
まだまだ慣れていない様子なので、
今回は、かなり教師が構成的に学習活動を進めることにしました。

まず、「大和川のつけかえの理由となった洪水の被害と原因」を、
教科書を使って、4人グループで調べます。

ホワイトボードを使って話し合い、まとめていきます。
教科書の決められた場所を使って調べるので、
子どもたちは、わりと簡単に洪水の原因を絞り込んでいました。
でも、まとめ方が難しい。

ここはホワイトボードに書いたり、消したり・・・。
試行錯誤の繰り返しです。

「何を書いたらいいかな?」
「どう書いたら、伝わるかな?」

このように声をかけて、グループ内の話し合いをつなぎます。
まとめの途中で、1時間目は終わり。

次の時間は、続きから。
5分程度で、グループごとに「仕上げ」に入ります。
途中のグループもありますが、「できたところまででいいよ!」
ここから発表の練習に入ります。

まず、グループごとに、どのように発表するか相談タイム。
そして、グループで一人ずつ発表の練習です。

今はペアやグループで、「何度も練習する」を優先しています。
教室のみんなの前で発表するの経験も必要なのでしょうが、
一人一回発表するだけで一時間かかってしまいます。
なので、今は練習回数を優先!

その後、3つのグループが集まって、
発表の交流を行い、お互いの活動を共有しました。

発表の形態にとまどいながらも、子どもたちはすぐに順応し、発表も楽しんでいます。
自分たちで練習した経験があるので、友だちの発表にも関心がでます。

『今回のよかったところ』
・調べる範囲を限定したので分かりやすく、子どもたちの能力差が出にくく、
 全員が参加しやすかったこと。
・ホワイトボードを使って消しながらまとめることで、試行錯誤できたこと。
・グループで発表の練習する機会が多く持てたこと。
・3つのグループで交流する時間が持てたこと。

「調べ学習」というと、テーマだけ与えて、後は自由に・・・。
これまで、けっこうやってしまっていました。

それでも、経験や能力のある子どもはできるのですが、
これから学んでいく段階にある子どもは、やり方も分からず、迷ったまま。
教師がサポートする場面や子ども同士の学び合いがなければ、
その子は学びのチャンスを失ってしまいます。

調べ学習の経験の浅い時期には、
今回のように、調べるテーマやまとめの方法を小さく限定して、
みんなで達成できる活動をたくさん経験していくことが大事だなと実感しました。